むし歯予防先進国はどこ?
- 2021年11月14日
- 一般歯科
こんにちは。
前回の「118(いい歯)」の日のブログで、「キシリール」のお話しをさせていただきましたので、少しその歴史をお話ししてみましょう。
「キシリトール」という言葉は、今では「BTS」という韓国グループの宣伝も相まって、一般的に広く知られるようになりました。
しかし、これまで「キシリトール」の名は一般の方はもちろん、歯科医師にさえ知られていませんでした。
「キシリトール」は糖アルコールと呼ばれるものの一種で甘味炭水化物です。
「キシリトール」は自然界にも存在します。(イチゴ、ナス、ホウレンソウなど)
この「キシリトール」という言葉が世界中で広く知られるきっかけとなったのは、国民のむし歯が増えてしまったある国の研究から始まったです。
それは、北欧の国「フィンランド」です。
北欧の森と湖の国フィンランドは、サンタクロースの国、ムーミンの国として有名ですが、「キシリトール」の原産国として世界中の注目を浴びました。
1975年(昭和50年)にキシリトールの世界的権威(キシリトールの父)、トゥルク大学のカウコ・K・マキネン教授(現在は名誉教授)により、「キシリトールのう蝕予防効果」を発見されました。
多くの臨床研究を経て、その「安全性」と「むし歯の予防効果」はヨーロッパ各国の歯科医師会の推薦をうけています。
フィンランドは、第二時世界大戦でソ連に敗れ、戦後は日本以上のむし歯大国となってしまったんですね。
歯科医師不足が問題となり、医師数を多く増やし、国は膨大な歯科医療費に悩まされ、医療費を抑制するために国を挙げての「むし歯予防」に乗り出した、という国の事情、歴史があるようです。
まさに、キシリトールの故郷「フィンランド」は、「むし歯予防の先進国」なんですね。
歴史と知ると、知識が深まりますね。
「皆さん、毎日歯にいいことしてくださいね」
上野貴士