インプラント周囲炎とは?
- 2024年8月24日
- 口腔外科
インプラント周囲炎は、歯科インプラントの周囲に生じる炎症性疾患です。
インプラントが骨と結合した後、その周囲の歯茎や骨に炎症が発生することがあり、進行するとインプラントの失敗や骨の喪失につながることがあります。
1. インプラント周囲炎の原因
- 細菌感染: プラーク(歯垢)や歯石がインプラント周囲に蓄積し、細菌が繁殖することで炎症が発生します。特に口腔衛生が不十分な場合にリスクが高まります。
- 不適切な噛み合わせ: インプラントに過度の力がかかると、周囲の組織にストレスがかかり、炎症が引き起こされることがあります。
- 喫煙: 喫煙は血流を悪化させ、免疫力を低下させるため、炎症のリスクを高めます。
- 全身的な健康状態: 糖尿病や免疫力の低下があると、インプラント周囲の炎症が発生しやすくなります。
2. インプラント周囲炎の症状
- 歯茎の腫れと発赤: インプラント周囲の歯茎が赤く腫れることが多いです。
- 出血: 歯磨きや食事中に出血することがあります。
- 痛みや不快感: 初期段階では痛みが少ないこともありますが、進行すると痛みや不快感が増します。
- インプラントの動揺: 重度の場合、インプラントが不安定になり、動揺を感じることがあります。
3. 予防とケア
- 口腔衛生の徹底: 毎日の歯磨きやフロス、抗菌性のうがい薬を使用することで、プラークの蓄積を防ぎます。
- 定期的な歯科検診: 定期的に歯科医の診察を受け、インプラント周囲の健康状態をチェックします。歯科医は、必要に応じてプロフェッショナルクリーニングを行います。
- 喫煙の中止: 喫煙を控えることで、炎症のリスクを減らします。
- 適切な噛み合わせの維持: 噛み合わせが悪い場合は、早期に調整を行うことで、インプラントにかかる過度の力を軽減します。また、睡眠中はマウスピース(ナイトガード)を使用していただきます。
4. 治療方法
- 早期の段階: インプラント周囲の清掃を徹底し、抗菌治療を行います。局所的な抗生物質の適用も有効です。
- 進行した段階: インプラント周囲の骨が失われている場合、外科的な治療が必要になることがあります。骨移植や再生療法が行われることもあります。
- インプラントの除去: 炎症が重度で治療が困難な場合、インプラントの除去が検討されることがあります。
5. 重要性とリスク
インプラント周囲炎は、インプラントの長期的な成功に大きな影響を与えるため、早期発見と治療が非常に重要です。
症状が出る前に予防することが最善ですが、異常を感じた場合は早急に歯科医に相談することが必要です。
インプラント治療は、失った歯を補うための効果的な手段ですが、インプラント周囲炎のリスクを理解し、適切なケアを行うことで、その効果を最大限に引き出すことができます。