「親知らず」と呼ばれるようになったのはなぜ?
- 2021年10月28日
- 口腔外科
今回は少し長くなります。
以前お話ししました第3大臼歯は、なぜ「親知らず」と呼ばれているのか?
①「日本人の平均寿命との関係」という説
日本人の平均寿命の年齢のデータは、厚生労働省のホームページにも掲載されています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life10/01.html
このデータを見ますと昔は50歳ぐらい、現在は80歳ぐらいです。
今と昔ではかなり違いますね。
今では「人生100年計画」などと言われたりしますが、昔はその半分ぐらいの寿命だったんですね。
「親知らず」が生えてくる年齢は、10代後半から20代前半ぐらいですので、昔はその頃には親が亡くなっていたことが多く、「親が知ることなく生えてくる歯」であることが名前の由来となって、「親知らず」と呼ばれるようになったという説。
②「親が知らないから」という説
子供のときはお父さんやお母さんに仕上げ磨きをしてもらったり、虫歯ができたとき、乳歯が抜けたりしたときなど、口の中を見てもらう機会が多いと思います。
でも、「親知らず」が生えてくる年齢のときは、親に口の中を見てもらうことはほぼないですよね。
ですので、「親が子供の歯をチェックしないような年齢になってから生えてくる歯」、つまり「親が歯が生えてきたことを知らない」で、「親知らず」と呼ばれるようになった説。
③「英語からの由来」という説
「親知らず」は英語で「wisdom tooth」と書きます。
「wisdom=知恵、tooth=歯」ですので、「知恵がついてきた頃、物事の分別がつく年齢になった頃に生えてくる歯」という意味があるようです。
「親知らず」は別の呼び名で「智歯」と言われていますが、この「wisdom tooth」が由来と言われている説。
以上、色々な説がありましたね。
知識として知っておいても、面白いと思います。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
上野貴士