虫歯(う蝕)の進行
虫歯は初期段階では痛みを感じにくいため、気づかないうちに進行してしまうことがよくあります。エナメル質(歯の一番外側の硬い層)が溶かされ、その下の象牙質(エナメル質の内側にある組織)や歯髄(歯の神経・血管を含む組織)にまで虫歯が及ぶと、歯の内部が大きく崩壊してしまいます。さらに放置すると、歯の根のみが残った「残根(ざんこん)」状態になり、最終的には抜歯が必要になるケースもあります。
ボロボロの歯・大きな欠損(多数の歯の欠損)

「鏡を見るたびに、歯の状態が気になってしまう」「食事がうまくできなくなってきた」「長年放置してしまって、今さら歯医者に行くのが恥ずかしい」――そのようなお気持ちを抱えている患者様は、決して少なくありません。
歯がボロボロになってしまう状態や、多数の歯が失われてしまった状態は、見た目の問題だけでなく、食事・会話・全身の健康にまで深刻な影響を及ぼします。しかし、どれだけ歯の状態が悪くなっていても、適切な治療を受けることで、多くの場合において口腔機能の回復を目指すことができます。当院では、こうした状態でお悩みの患者様を、決して否定せず、一緒に最善の方法を考えてまいります。
以下のような症状や状況に心当たりのある患者様は、ぜひ一度ご相談ください。
「ここまで悪くなってしまったら、もう手遅れかもしれない」と感じて受診をためらう患者様もいらっしゃいます。しかし、口腔内の状態がどれだけ進行していても、まずは現状を正確に把握することが大切です。当院では、患者様の状態を丁寧に確認したうえで、可能な治療の選択肢をわかりやすくご説明いたします。
歯が大きく欠損したり、多数の歯を失ってしまう背景には、さまざまな原因が複合的に絡み合っています。
虫歯は初期段階では痛みを感じにくいため、気づかないうちに進行してしまうことがよくあります。エナメル質(歯の一番外側の硬い層)が溶かされ、その下の象牙質(エナメル質の内側にある組織)や歯髄(歯の神経・血管を含む組織)にまで虫歯が及ぶと、歯の内部が大きく崩壊してしまいます。さらに放置すると、歯の根のみが残った「残根(ざんこん)」状態になり、最終的には抜歯が必要になるケースもあります。
歯周病は、歯を支える骨(歯槽骨)や歯茎(歯肉)が細菌によって破壊される病気です。初期段階では歯茎の出血や腫れ程度ですが、進行するにつれて歯を支える骨が溶けていきます。最終的には歯がぐらつき、自然に抜け落ちてしまうこともあります。日本では成人の多くが歯周病に罹患しているとされており、歯を失う原因として非常に多い疾患です。
転倒・スポーツ中の衝突・交通事故などによって、歯が大きく欠けたり、根元から折れてしまうことがあります。特に前歯は外傷を受けやすく、複数本が同時に損傷するケースもあります。
就寝中や無意識のうちに歯をこすり合わせたり、強く食いしばる習慣(ブラキシズム)がある方は、歯が少しずつ削れていきます。長期間にわたると歯が大幅に短くなったり、ひびが入って割れてしまうことがあります。
痛みが出てもなかなか受診できず、長年そのままにしてしまった場合、一つの虫歯や歯周病が隣の歯にまで影響を与え、気づいたときには複数の歯が同時に悪化しているケースがあります。仕事の忙しさや歯科恐怖、経済的な理由など、受診できなかった背景は人それぞれです。当院ではそういった事情を十分に理解したうえで、丁寧に対応いたします。
歯の状態が悪くなることは、口の中だけの問題ではありません。全身にも様々な影響が及ぶことが知られています。
歯が多数失われると、食べ物をしっかり噛み砕くことができなくなります。消化が不十分になることで胃腸への負担が増加し、栄養の吸収効率も低下します。やわらかいものばかり食べるようになると、食事の楽しみが失われるだけでなく、栄養バランスが偏るリスクもあります。
歯は発音にも深く関わっています。特に前歯が失われると、「さ行」「た行」などの発音が不明瞭になることがあります。会話のたびに気になってしまい、人と話すことへの苦手意識につながるケースも少なくありません。
歯を失った部分の顎の骨は、刺激がなくなることで少しずつ吸収されて薄くなっていきます(骨吸収)。この変化が進むと、顔の輪郭が変わったり、将来的に入れ歯やインプラントなどの治療が難しくなることがあります。
歯が抜けたまま放置すると、隣接する歯や対側の歯が少しずつ傾いたり、伸びてきたりすることがあります(歯の移動・挺出)。これにより噛み合わせが乱れ、特定の歯に過度な負担がかかるようになり、残っている健康な歯まで傷めてしまう悪循環が生じることがあります。
歯周病はインスリンの働きを妨げることで糖尿病の悪化に関与することが報告されています。また、歯周病菌が血流に乗って全身に広がることで、動脈硬化や心疾患、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)などとも関連があるとされています。口腔内の健康を保つことは、全身の健康を守ることにもつながります。
ボロボロの歯・多数欠損の治療は、まず口腔内全体の状態を正確に把握することから始まります。レントゲン撮影(パノラマX線・デンタルX線など)や歯周組織の検査(プロービング)を行い、各歯の残存状態・骨の状態・歯周ポケットの深さなどを総合的に評価します。
その結果をもとに、「残せる歯」「治療が必要な歯」「残念ながら抜歯が必要な歯」を分類し、治療計画を立案します。複数の問題が同時に存在することが多いため、治療の優先順位を決めながら段階的に進めていくことが一般的です。
まずは保険診療の範囲で行える治療から進めていきます。
歯を失った部分を補う治療を「補綴治療」といいます。主に以下の3つの方法があります。
取り外し式の装置で、保険適用のものと自費(保険外)のものがあります。保険の入れ歯は費用を抑えられる反面、使用感や見た目に制約があります。自費の入れ歯(金属床義歯・ノンクラスプデンチャーなど)は、薄くて軽く、違和感が少ない・目立ちにくいなどの利点があります。
両隣の歯を支台として橋渡し状に人工歯を装着する固定式の補綴装置です。保険適用のものもあります。隣の歯を削る必要があること、欠損が多い場合には適応できないケースもあることなど、事前に十分な説明を行ったうえで選択肢の一つとしてご案内します。
顎の骨に人工の歯根(チタン製のスクリュー)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。自然な噛み心地と見た目が期待でき、隣の歯を削る必要がないことが特徴です。ただし外科的な手術を伴うこと、骨の量や全身の健康状態によっては適応できない場合もあること、費用は全額自費となることなどを十分にご説明したうえで、患者様と一緒に検討します。